リスキリングとは、 「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、 必要なスキルを獲得する/させること」です。
近年では技術革新により、企業のさまざまな業務がDX化され、 これまで人間が行っていた業務をITの力が代行するようになってきています。
肉体労働や単純作業が軽減されていく一方で、 DX化によって新たな仕事(DX化のためのシステムの管理・構築・メンテナンスなど)が発生しており、 そういった業務に就業できる人材が求めらるようになっています。
しかし、国内では上記に該当する人材不足が指摘されているため、 日本政府も主体となり、キャリアアップ支援事業や第四次産業革命スキル習得講座認定制度といった リスキリングに関わる支援事業に着手し始めています。
本記事では、リスキリングのメリット・デメリットを踏まえつつ、リスキリングに取り組む際のポイントをご紹介させていただきます。
企業が従業員のリスキリングを支援するメリットは、大きく3点です。
・生産性・従業員のエンゲージメント向上
従業員が新たなスキルや知識を取得することで、仕事の効率や質が向上します。 また、生産性が上がり、ワークライフバランスが整うと、従業員の満足度も向上します。 結果的に離職率の抑制や、優秀な人材の採用・定着につながっていきます。
・新しい業務の早期キャッチアップ
すでに自社の事業について理解している社員がリスキリングを行うことで、新しい知識やスキルをすぐに現場で活かしてもらうことができます。 必要となる技術やスキルを持つ人材を外部から採用するよりも、早期のキャッチアップが可能となります。
・人材不足に対応できる
国内ではDX人材の大幅な不足が予測されています。 よって、今後DX人材を外部から採用しようとした際に、なかなか難しい状況に陥ることとなるでしょう。すでにいる従業員にリスキリングを行い、必要なスキルを身に着けてもらう方が、より現実的な判断と言えるかもしれません。
リスキリングのデメリットは主に下記2点です。
・リスキリングに取り組んだ従業員の転職
リスキリングに取り組んだ従業員への待遇や業務の移行が適切でなかった場合、 せっかくスキルを身に着けた社員が外部に流出してしまう可能性があります。
・時間・コストが必要
リスキリングの対象となる従業員の選出・リスキリングのプラン作成などといった準備が必要になるだけでなく、研修にあたって外部のリソースを使用する際は、コストもかかります。 あらかじめ、必要とされる予算と、社員のリスキリング完了までのスケジュール感を想定しておく必要があります。
・社員の主体性を尊重する
リスキリングは日々の業務を行いながら新たなスキルを習得していきます。 そのため、本人の学ぶ意欲がないと継続が難しく、明確な目標を持っていないと途中で挫折してしまいます。 リスキリングの支援対象者を選定する際は、立候補制にするなど、社員が主体的に取り組める環境を意識するとよいでしょう。
・実務に活かせるプログラムを用意する
せっかく新しいことを学んでいても、目の前の業務に役立たないと感じてしまうと、学習意欲が下がってしまいます。 日々の実務に直結したプログラムがあると、学んだことがすぐに活かせることを感じられ、モチベーションを維持しやすくなります。
いかがでしたでしょうか。
DX人材確保の手段としては、外部の専門人材を採用する方法もありますが、 すでに企業文化や業務の基礎知識を持つ社内人材に「リスキリング」を行うメリットは大きいと言えるでしょう。
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