リスキリングとは、 「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、 必要なスキルを獲得する/させること」です。
近年では技術革新により、企業のさまざまな業務がDX化され、 これまで人間が行っていた業務をITの力が代行するようになってきています。
肉体労働や単純作業が軽減されていく一方で、 DX化によって新たな仕事(DX化のためのシステムの管理・構築・メンテナンスなど)が発生しており、 そういった業務に就業できる人材が求めらるようになっています。
しかし、国内では上記に該当する人材不足が指摘されているため、 日本政府も主体となり、キャリアアップ支援事業や第四次産業革命スキル習得講座認定制度といった リスキリングに関わる支援事業に着手し始めています。
本記事では、リスキリングに関連する補助金や助成金についてご紹介します。
▼教育訓練給付金制度
厚生労働省が提供する制度で、雇用保険に加入している労働者や離職者がスキルアップやキャリアアップを目指して教育訓練を受講する際に、費用の一部を補助する制度です。 利用者は講座開始前に「ハローワーク」に申請し、受講資格の確認を受ける必要があります。 雇用の安定と再就職の促進を目的としており、下記の2つのタイプがあります。
①一般教育訓練給付金
・対象: 雇用保険に一定期間加入している人(初回利用時は1年以上、2回目以降は3年以上)。
・補助内容: 教育訓練費用の20%(上限10万円)が給付されます。
・対象講座: 指定された教育訓練講座(例:プログラミング講座、資格取得講座など)。
②専門実践教育訓練給付金
・対象: 雇用保険に3年以上加入している人(初回利用時は2年以上)。
・補助内容: 教育訓練費用の50%(上限40万円/年、最長3年)。修了後に資格取得や就職が確認された場合は追加で20%(上限16万円)が支給。
・対象講座: 大学院の専門職学位プログラムや職業訓練校の実践的な講座など。
▼キャリアアップ助成金(人材育成コース)
厚生労働省が提供する助成制度で、企業が非正規雇用労働者(パート、契約社員、派遣社員など)のキャリアアップを支援する取り組みを行う際に、その費用の一部を補助するものです。 主に非正規雇用者の待遇改善やスキル向上を目的としています。 取り組みを実施する企業は、事前に労働局の審査を受ける必要があります。
・目的: 企業が従業員のスキルアップを目的に行う研修や資格取得支援を補助。
・補助内容: 研修費用や賃金助成として、企業が一定の金額を受け取れます。
・対象: 企業が実施する外部講座やOJT(職場内訓練)など。
▼地方自治体の独自制度
自治体によっては、リスキリングに特化した補助金や助成金を提供している場合があります。
例:
ITスキル習得のための講座費用補助。
地域の職業訓練校が提供する無料または低額の研修プログラム。
▼DXリスキリング補助金(デジタルスキル向上支援)
経済産業省や総務省が提供するデジタルスキル向上を目的とした助成金です。
・対象: DX関連スキル(AI、データ分析、プログラミング等)を学ぶ個人や企業。
・補助内容: 講座受講費や教材費の一部を補助。
▼中小企業支援(小規模事業者持続化補助金)
中小企業や小規模事業者が従業員のスキルアップを目的として行う取り組み。でセミナー受講費や研修費を一部補助します。
・生産性・従業員のエンゲージメント向上
従業員が新たなスキルや知識を取得することで、仕事の効率や質が向上します。 また、生産性が上がり、ワークライフバランスが整うと、従業員の満足度も向上します。 結果的に離職率の抑制や、優秀な人材の採用・定着につながっていきます。
・新しい業務の早期キャッチアップ
すでに自社の事業について理解している社員がリスキリングを行うことで、新しい知識やスキルをすぐに現場で活かしてもらうことができます。 必要となる技術やスキルを持つ人材を外部から採用するよりも、早期のキャッチアップが可能となります。
・人材不足に対応できる
国内ではDX人材の大幅な不足が予測されています。 よって、今後DX人材を外部から採用しようとした際に、なかなか難しい状況に陥ることとなるでしょう。すでにいる従業員にリスキリングを行い、必要なスキルを身に着けてもらう方が、より現実的な判断と言えるかもしれません。
・リスキリングに取り組んだ従業員の転職
リスキリングに取り組んだ従業員への待遇や業務の移行が適切でなかった場合、 せっかくスキルを身に着けた社員が外部に流出してしまう可能性があります。
・時間・コストが必要
リスキリングの対象となる従業員の選出・リスキリングのプラン作成などといった準備が必要になるだけでなく、研修にあたって外部のリソースを使用する際は、コストもかかります。 あらかじめ、必要とされる予算と、社員のリスキリング完了までのスケジュール感を想定しておく必要があります。
・社員の主体性を尊重する
リスキリングは日々の業務を行いながら新たなスキルを習得していきます。 そのため、本人の学ぶ意欲がないと継続が難しく、明確な目標を持っていないと途中で挫折してしまいます。 リスキリングの支援対象者を選定する際は、立候補制にするなど、社員が主体的に取り組める環境を意識するとよいでしょう。
・実務に活かせるプログラムを用意する
せっかく新しいことを学んでいても、目の前の業務に役立たないと感じてしまうと、学習意欲が下がってしまいます。 日々の実務に直結したプログラムがあると、学んだことがすぐに活かせることを感じられ、モチベーションを維持しやすくなります。
いかがでしたでしょうか。
DX人材確保の手段としては、外部の専門人材を採用する方法もありますが、 すでに企業文化や業務の基礎知識を持つ社内人材に「リスキリング」を行うメリットは大きいと言えるでしょう。
リクサス株式会社では、人材紹介会社向けの業務デジタル化ツール『LaS』を提供しています。
・未経験者の業務キャッチアップに
・社内にDX人材がおらず、業務効率化にどうやって着手すればよいのか分からない…
など
お悩みがございましたら、ぜひお気軽にお問合せくださいませ。
[[お問い合わせ]]